中国による日本企業買収の成功例
中国企業に買収されたことでどん底から復活を遂げた企業がある。
2004年に上海電気集団に買収された工作機械メーカー、池貝だ。
明治時代に初めて国内で旋盤を製造した名門企業が中国の企業に買収されたときは
勃興する中国と没落する日本の象徴とされ話題になった。ところが、
実は上海電気集団の狙いはその長く積み上げてきた技術力だったのである。
それを惜しんでのことであったので、上海側にはM&Aの意識は無かったという。
また、上海側は池貝の誇りを傷つけないように最大限の配慮を払っていた。
資金と販路の面では惜しみない支援を与えつつ、池貝の技術と歴史に敬意を払い、
その自主性を尊重し続けてきた。その結果、一度は民事再生法の適用を申請をした
瀕死の会社は現在では完全に息を吹き返した。売上高も2006年12月期で約50億と、
買収後の2年間で6割も増加している。両社の融合もこれまで順調に進んでいる。
その象徴が、池貝が6月に稼動させた上海の製造子会社だ。池貝の100%子会社
という形を取っているが、工場の敷地も社員も上海電気集団が提供している。
日本からは技術指導に人材を送り込んでいる。
もし池貝が、技術に自信のある日本メーカーや短期的な利益を重視するファンドを
パートナーに選んだ場合、今のような復活があっただろうか。池貝の持つ技術や
ブランドに敬意を払い、独自の経営を支援した上海電気集団は池貝にとっての
最良のパートナーだったのである。