日本とブラジルとのFTA
日本は中南米諸国との経済関係の強化を目指しているが、農業部門の市場開放問題等が障害となり、中南米経済およびメルコスール貿易圏(南米共同体市場)の中心であるブラジルとの自由貿易協定(FTA)の締結が遅れ気味だ。
2004年9月には、小泉首相が橋本政権以来八年ぶりにブラジルを訪問し、両国の経済交流拡大に意欲を示したが、経済連携協定(EPA)やFTA締結についての具体的な交渉はなかった。
日本は、地理的に不利な中南米よりも近隣のアジア諸国との経済関係の強化を優先しているが、各資源については中南米の方が遥かに恵まれているのである。それ故に、日本はブラジルとのFTA締結を後回しにしていると、資源調達の優先的な利益を近隣のアジア諸国に奪われてしまうリスクがある。天然資源に乏しい日本は、資源の調達の場所として有力なブラジルとの経済関係を早急に強化する必要があるのだ。
一方、ブラジルは資源や人材は豊富にあるものの、技術レベルが低いという問題を抱えている為、日本はFTA締結などによってブラジルから資源を調達しつつ、ブラジルに資本や技術を提供していくという相互補完関係を築き上げていくのが望ましいのである。